2015年2月14日土曜日

アベノミクス後のドル円相場とMACDについて


  • アベノミクス以降のドル円相場は,上昇トレンドとレンジ相場を繰り返している。

  • トレンドの変わり目には退場してしまうFX投資家が多いように思うが,おそらくトレンドが変わったのにそれに気付かずに,従前どおりのトレードを続けてしまうからだろう。トレンドが変わったら,それまでの成功体験は忘れて,一から戦略を考え直すべき。

  • とりあえず,レンジ相場の場合には「上がったら売り,下がったら買い」の逆張り,トレンド相場の場合には「押し目買い,戻り売り」の順張りだと思う。

  • いずれにしても,トレンドの違いによって戦略が正反対になりうるので,トレンドの見極めは非常に重要だが,最近のドル円相場のトレンドを判断する上では,週足のMACDが参考になると思う。

  • 2012年9月以降でMACD(短期12週,長期26週,シグナル9週)がクロスをしたのは6回で,その時期とその後の展開は次の通り。


  • クロスの時期 クロスの種類 その後の相場展開
    112年10月15日ころGCクロス時のドル円レートは79.30円付近。その後は103.73円程度まで高値を更新(上昇トレンド)。
    213年5月27日ころDCクロス時のドル円レートは100.46円付近。その後は93.79円程度まで下落した後,三角保ちあいになる(レンジ相場)。
    313年11月18日ころGCクロス時のドル円レートは101.31円付近。その後は105.43円程度まで高値を更新(上昇トレンド)。
    414年1月20日ころDCクロス時のドル円レートは102.22円付近。その後は100.74円程度まで下落した後,三角保ちあいになる(レンジ相場)。
    514年8月11日ころGCクロス時のドル円レートは102.31円付近。その後は121.83円程度まで高値を更新(上昇トレンド)。
    615年1月19日ころDCクロス時のドル円レートは117.95円付近。

  • ちなみに,昨年7月以降であれば,日足のMACD(短期12日,長期26日,シグナル9日)の方がトレードのタイミングを図る上で参考になっている。


  • クロスの時期 クロスの種類 その後の相場展開
    114年7月23日ころGCクロス時のドル円レートは101.48円付近。その後は109.57円程度まで高値を更新。
    214年10月1日ころDCクロス時のドル円レートは108.88円付近。その後は105.93円程度まで下落。
    314年10月28日ころGCクロス時のドル円レートは108.12円付近。その後は118.96円程度まで高値を更新。
    414年11月26日ころDCクロス時のドル円レートは117.71円付近。その後はやや下落したものの上昇に転じ,12月5日の雇用統計で大幅高となり一時的にGCとなった(ここでだまされた)。
    514年12月8日ころDCクロス時のドル円レートは120.73円付近。その後は115.55円程度まで下落。
    615年2月6日ころGCクロス時のドル円レートは118.82円付近。

  • 週足でMACDがゴールデンクロスをした後は上昇トレンド,デッドクロスをした後は三角保ちあいとなっており,MACDがクロスする時期とトレンドの変わり目はほぼ一致しているように思う。

  • この傾向が今後も続くのであれば,現在はレンジ相場ということになる。前回のレンジ相場は6か月続いたが,今回はアメリカの利上げが目前に迫っているので,それほど長引かず,春先には上昇トレンドに復帰するのでは。