2016年6月9日木曜日

ビットコイン取引についての雑感(その2)

  • ほかにビットコイン取引がお勧めできない理由としては流動性が低いことがある。おそらく投資金額が全般的に少ないのだと思うが,個々のオーダーの金額が小さく,ある程度まとまったお金を投資しようとすると難儀する。

  • もっとも,bitFlyerFX の出来高は運用開始のころと比べると予想以上に増えており,私くらいの投資金額であれば,注文がはけずにストレスがたまるといったことはほとんどなかった。

  • ただこの bitFlyerFX は何ともよく分からない仕組みの取引で,少なくとも私が知る「FX」とは別物だし,それがなにかと聞かれても「FXとは別のなにか」としか答えようがない。

  • というのは第一に,FXは一般に相対取引であり,投資家が売ったり買ったりした場合の取引相手はFX業者なのだが,bitFlyerFX は投資家どうしで取引をする市場取引だ。ビットコインではカバー取引ができないので,外国為替と同じようなFXは不可能なんだろう。

  • まあ,それはそれでもよいのだけれど,ならばスワップポイントが売りも買いもマイナスというのはどういうことかと。そのスワップポイントを受け取っているのは誰なのかと。

  • スワップポイントは,売った通貨と買った通貨の金利差を精算するものだから,金利の安い通貨を買った者が,金利の高い通貨を買った相手に支払うべきものだ。

  • にも関わらず,スワップポイントが売りも買いもマイナス(要するに,売り手も買い手も金利を支払う)ということは,それが本当にスワップポイントならば,取引所がくすねているということであって,実態はスワップポイントではないだろう。

  • これは実質的に「利息」であり,bitFlyerFX は取引所からお金やビットコインを借りて売り買いをしているというのが実態で,FXというよりは「信用取引」と呼ぶべきだろう。

  • 取引所にも儲けが必要だから利息を取るのはいっこうにかまわないと思うが,「スワップ」(交換)の要素は何もないのだから,これをスワップポイントと称して,なんとなくごまかすようなやり方はいかがなものだろうか。

  • ついでに言わせてもらうと,投資家が取引所に金利をいくら支払ったのかを明らかにするのは当然のことであって,きちんと取引履歴に明示していただきたい。支払った金利が正確に分からないと税金の計算ができない。

  • 第二に,FXは一般に外部から為替レートの配信を受けているから,FX投資家が売買を成立させてもそれによって為替レートが変動することはない。もちろん,カバー取引によって間接的な影響が及ぶことはあるのかもしれないが,FX業者がカバー取引をやっているとは限らない。

  • これに対して,bitFlyerFX は為替レートの配信を受けているわけではなく,ザラバ寄せで取引価格を決めているため,投資家の売り買いによって直接的に為替レートが変動する。

  • この仕組みでは不都合な場合があるのではないだろうか。

  • というのは,bitFlyerFX にも強制ロスカットの仕組みが存在するが,相場が大幅に変動して強制ロスカットが発動し,建玉が成行決済されると,その成行決済によってさらに相場が変動してしまう。

  • そうすると,強制ロスカットが別の強制ロスカットを誘発し,際限なく連続して強制ロスカットが発生する事態が生じうるのではないだろうか。もしそうならば,他の取引形態よりも価格変動が増幅されがちで,投資家はより大きなリスクを負っていることになる。

  • 大口投資家が結託し,1円で買い注文を入れたうえで大量の売り注文を出し,すべての買い建玉を強制ロスカットさせて1円で取引を成立させるなんていう攻撃が可能なんじゃないかと思ってしまうのだが。

  • なんか悪口ばかりになってしまったが,私は正直なところ bitFlyerFX のことが嫌いではない。ビットコインを普及させるためにも,もっと取引が活発になって,もっと出来高が増えることを願っている。

  • (つづく)