2016年6月11日土曜日

ビットコイン取引についての雑感(その3)


  • FXで勝てない方がビットコイン取引ならば勝てるかといったらそういうものではないと思う。そういう動機で乗り換えようと思うのなら,FXに踏みとどまって研さんを続けた方がよいのでは。

  • ただ正直なところ,現在のビットコインチャートはすごくきれいな形をしていて,希望の持てるチャートになっていると思う。

  • 相場というのは常に波打っているから,チャートを見ても一見して相場が上昇しているのか下落しているのか分からない場合もある。では,そういう場合に何を基準に上昇下落を判断しているかというと,チャートの「山と山」「谷と谷」を比較しているのではないだろうか。

  • 上昇している相場というのは,「上値を切り上げ,かつ下値を切り上げている相場」のことだろう。かみ砕いていえば,「新しい山の頂上がその前の山の頂上よりも高い位置となり,新しい谷の底がその前の谷の底よりも高い位置となる状況が連続している状態」ということになる。

  • そうすると,チャートの「山と山」「谷と谷」の位置関係に着目することで,売買のタイミングも判断できる。

  • 相場はいったん方向性が生まれるとその方向に進み続ける傾向にあるから,相場の上昇が開始したと確認できた場合,相場の上昇が継続していると確認した時点で買いポジションを持てばよい。

  • そこで上記の定義をもとに,相場上昇の開始・継続が確認できるのは何時かと考えると,それは「新しい谷がその前の谷を下まわらず,新しい山がその前の山を上まわることが確定した時点」であり,一言で言えば「前回高値を更新した時点」ということになる。

  • 買いポジションを持った後も上値の切上げ,下値の切上げを確認しつづける限りはそのままホールドすればよい。しかし,いずれは「新しい山がその前の山を越えられないとき」がくる。そのときは上昇相場の終了にリーチがかかっている。

  • そのうえで,「新しい谷がその前の谷を下まわることが確定した」場合には,上昇相場が終わって下落相場が始まった可能性が高く,買いポジションは決済すべきだろう。

  • この際のチャートの形状がヘッドアンドショルダー(三尊天井)とかダブルトップなどと呼ばれているものであり,決済すべきタイミングはネックラインを割った時点ということになる。

  • さて,BITSTAMP の週足チャートを見ると,2013年11月に史上最高値の1163ドル(画像の1)を付けた後,2015年1月に152ドルまで下落している(画像の3)。この間は,上値も下値も切り下げ続けているから下落相場であることは明らかだ。


  • その後,2015年3月にかけて297ドルまで上昇し(画像の4),再び下落してしばらく低迷が続いたが(画像の5),ここで1月の安値を割り込まず,2013年以来の上値抵抗線を突破したことにより相場反転の可能性が出てきた。

  • そのうえで,3月の高値を再び上まわってくれば完全に底入れの形だと思っていたが,7月にそれを試すも一筋縄には行かず,300ドルの壁を完全に突破することはできずに再び失速してしまう(画像の6)。

  • 8月に200ドルを割るところまで下落するものの(画像の7),このときに1月の安値を割り込まなかったことが大きかった。

  • これによって完全に二番底を確認したと判断され,さらに再び上昇して300ドルの壁を突破したことで上昇相場に転じた判断されて,11月の急騰(画像の8)につながったものと思う。

  • 上の説明に即していえば,買いポジションを持つべきタイミングは「300ドルの壁を突破した時点」だったことになる。

  • その後しばらく三角保ち合い(上値を切り下げ,下値を切り上げている状態)が続いたが,2015年8月からきれいに下値を切り上げ続けており,上にブレイクするのは時間の問題だろうと思われた。

  • 今年の4月になって三角保ち合いが煮詰まりきったところでようやく上値抵抗線を突破し,5月下旬に2015年12月の高値(467ドル)を更新すると,2015年11月の高値(502ドル)も一気に突破し,現在は594ドルまで上昇している(画像の9)。

  • ただ,半年間も続いた三角保ち合いをブレイクして高値更新となれば,うっぷんを晴らすかのように出来高が急増してもよいように思うが,これが一向に増えないことに不自然さを感じてしまう。

  • ちなみに私はMACD重視なのだが,上の画像では緑色の線がMACD,赤色の線がシグナルで,2015年2月ころゴールデンクロスしていることが分かる(画像のa)。これを信じて買いポジションをとっていれば,現在までの上昇相場をほとんどまるまる取れたことになる。

  • 5月下旬の急騰で2015年11~12月の高値を更新したことにより,上昇相場の継続が確認された。MACDも今年の1月にデッドクロスしていたが,直近で再びゴールデンクロスしている(画像のb)。

  • 現在のビットコイン相場は上値も下値も切り上げ続ける完全な上昇相場で,大局ではまだまだ上昇は続きそうに思う。次の節目は2014年6月の高値(画像の2)である683ドルだろう。

  • (つづく)