- 暗号通貨の保管方法を考える場合にもっとも重視すべきことは,それを永続的に安定して使用し続けられるのかということだろう。
 - IT技術はどんどん陳腐化していくから,規格が変わったりOSが変わったりで,現在使用している製品やサービスは5年10年後には使用できなくなっている可能性が高い。
 - それを提供する企業なりが環境の変化にあわせてアップデートをしてくれればよいが,暗号通貨界隈のスタートアップ企業が5年10年と生き残れる保証はない。
 - そうすると,ウェブウォレットなりハードウェアウォレットなりに保管したまま長期間放置していると,いつの間にか取り出せなくなっていたなんてことが起こりかねない。
 - ただでさえ価値が不安定なのに,それに加えてウォレット提供元の信用リスクまで負わされたのではたまったものではない。
 - もちろん,きちんと情報収集をしていればそういう最悪の事態は防げるだろうけれど,現役世代は歳を取るほどに忙しくなるだろうから,今それができているとしてもいつまでも続けられるとは限らない。
 - 自分の労力を前提に安全だと評価するのはちょっと危ういのではないだろうか。
 - 基本的に,何か手の込んだことをすればするほど,陳腐化リスクや信用リスクなど,余計なリスクをしょい込むことになるように思う。
 - そうだとすると,暗号通貨の保管はできるだけプリミティブで汎用性のある方法がよいはずで,そう考えればプライベートキーをペーパーウォレットの形で記録しておくのが一番だろう。
 - もっとも,ビットコインのようなメジャーな通貨はともかく,アルトコインの場合にはペーパーウォレットを簡単に作成するサービスがなかったりする。
 - その場合はどうしようかと考えると,まあ作ってしまえばよいだろうと。
 - なおペーパーウォレットは,やはり紙幣のような形状にし,特殊な紙に印刷するなどして,大切なものであることが見た目で分かるようにしておいた方がよいと思う。見た目がチープだと思わず捨ててしまいかねない。
 - 私はラミネート加工をして通帳などといっしょに保管している。ラミネート加工は専用の機械がなくてもアイロンを低温で当てればそれなりに可能。
 - それから,ペーパーウォレットに暗号通貨を送金するのは,そこから取り出す方法を確認してからの方がよいと思う。
 - たいていは公式デスクトップウォレットにインポートすることになるようだが,これが全くユーザーフレンドリーではなく,公式ウォレットがまともに動かないとかふざけた通貨もある(Fがつくやつ)。
 - CUIベースの操作を要求されることが多いので,コマンドプロンプトの使用に抵抗がないという感じの方でないとハードルが高いかもしれない。
 - さて,Moneroのウォレットはこちらのサイトで作成できる。
 - Geneate Wallet のボタンを押すと,Public address と Mnemonic seed と Private keys が生成されるが,このうちペーパーウォレットを作成するのに必要なのは Public address と Mnemonic seed だけで Private keys は必ずしも必要はない。
 - Mnemonic seed は公式ウォレットにインポートするために使用するが,プライベートキーはインポート後に公式ウォレット上で確認できる。
 - なお,プライベートキーが2種類あるのは,Moneroが外部からでウォレットの中身をのぞき見ることができないような仕様になっており,これを見るため専用の View key がプライベートキーとして存在するため。
 - ただし,View key でウォレットの残高をさくっと確認できるようなサービスは存在していない様子。一般的な意味のプライベートキーは Spend key のほう。
 - Public address と Mnemonic seed は二次元バーコードにしておくのが便利だと思うが,これはフリーソフトなどで簡単にできる。QR Code Editor などがシンプルでよいのでは。
 - あとは,画像なりを準備して適当に配置して印刷をすればペーパーウォレットが完成する。
 
2016年8月16日火曜日
Moneroのペーパーウォレットを作成する方法
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