2016年7月4日月曜日

暗号通貨ポートフォリオの内容


  • 私がビットコイン投資を始めたのは昨年7月で現在まで合計300万円を投資している。今年の5~6月にはビットコインFXにも手を出して,600万円を超えるところまで資産が増えたので,それを原資にして長期投資を念頭に暗号通貨のポートフォリオを作成することにした。

  • ビットコインを含めて10種類の暗号通貨を選び,600万円を10等分して60万円ずつになるように購入したが,その内訳は次の通り。


  • 通貨単価数量総額
    1Ethereum (ETH)0.01611265 BTC560 ETH 9.0401 BTC
    2Monero (XMR)0.00181413 BTC4,700 XMR8.5267 BTC
    3Factom (FCT)0.00154437 BTC5,600 FCT 8.6490 BTC
    4Lisk (LSK)0.00065188 BTC13,800 LSK 8.9966 BTC
    5Obits (OBITS)0.00017776 BTC45,000 OBITS 7.9993 BTC
    6Syscoin (SYS)0.00001137 BTC740,000 SYS 8.4102 BTC
    7Ripple (XRP)0.00000980 BTC957,000 XRP 9.3720 BTC
    8NEM (XEM)0.00000811 BTC1,010,000 XEM 8.1984 BTC
    9Siacoin (SC)0.00000091 BTC9,300,000 SC 8.4675 BTC
    10Bitcoin (BTC)72,000 JPY8.3333 BTC 599,997 JPY


  • 購入したアルトコインは,大半はペーパーウォレットで保管し,ペーパーウォレットが確保できない場合にはデスクトップウォレットやオンラインウォレットに保管している。

  • 本当は,資金配分をマーケットキャップに比例させるなどすべきだったのかもしれないが,面倒くさいので単純に10等分にしてしまった。そのせいか,弱小コインではリッチリストのかなり上位に食い込んでしまっている。

  • ちなみに,マーケットキャップでアルトコインの良し悪しを選別するという話をよく聞くが,マーケットキャップは発行数量が多ければ必然的に額が大きくなるので,その大小は必ずしも通貨の実力を反映しているわけではないような気がする。

  • そのため,投資対象を選ぶにあたってはマーケットキャップよりも出来高を重視した。出来高はその通貨に対する投資家の注目度をダイレクトに表しており,投資家の注目度の高さはその通貨の実力を反映していると思ったので。

  • 原則として,PLONIEXで24時間の出来高が100BTCを超えるものの中から,ネットの情報で有望そうなものを選んでいる。

  • なお買い付けは一度に行ったわけではなく,それなりに時間をかけて徐々に行ったのだが,DAOに対するハッキング事件が発生した時点では9割がたの購入が終わってしまっていた。

  • 実際の購入に用いたビットコインは合計で85.9931BTCで,平均すると1BTC=6万9773円ということになる。

  • ポートフォリオが完成して2週間ほど様子を見ているが,アルトコインは値動きが激しく,それぞれがてんでばらばらに動くので,ポートフォリオの作り甲斐があるように思う。

  • このブログを書いている段階での資産価値は,円建てで680~720万円,ビットコイン建てで100~110BTCくらいを推移しており,ビットコインが上昇すると円建ての資産価値があがり,下落するとビットコイン建ての資産価値があがる傾向にある。

  • ビットコインを単独で保有するよりも変動はマイルドなんじゃないかと思う。

  • 相場を見ていると,いろいろいじりたくなってくるのだが,最低でも半年ぐらいは我慢をしてこのまま動かさず,データ収集に専念するつもり。

2016年7月3日日曜日

ビットコイン取引についての雑感(その4)


  • 私はビットコインのことが好きだし,イノベーショナルなところをすごく評価しているけれど,その将来性についてはむしろ悲観的だ。

  • というのは,通貨である以上はまず第一に決済手段でなければならないと思うのだが,ビットコインが決済手段として普及する可能性は極めて低いと思うため。

  • そもそも,ビットコインで決済をする場合,決済の確定するまでに5分10分の時間がかかってしまう。クレジットカードや電子マネーで瞬時に決済ができるのに,決済のために店頭でこれだけの時間を待つというのは現実的でない。

  • こういった不都合を回避する方法して,デビットカードのような形で決済代行業者にいったん支払いを立て替えてもらうことが考えられるが,この方法では決済代行業者に対する手数料が発生しまう。

  • 手数料が安いというのがビットコイン利用のメリットのはずだが,これではクレジットカードや電子マネーで決済するのと変わらなくなってしまい,あえてビットコインで決済をする必要がない。

  • また,ビットコインを受け取った店舗側はこれを日本円に両替しなければならず,その際に為替コストが発生する。現状では,取引所の流動性が低くてスプレッドが大きいからこの負担がかなり重いものと思われる。

  • そうすると,店舗側は決済の際の為替レートに一定の為替コストを上乗せするだろうが,そうなると消費者側は支払金額が適正かどうかを容易に確認できない。気づかないうちに高額な手数料を払わされる可能性もあって気持ちが悪く,明朗決済にならないだろう。

  • そうこう考えるとビットコインを決済に用いても何もよいことはない気がする。暗号通貨を決済に用いるとしても,電子マネーのように日本円とペッグされたもの方が圧倒的に使い勝手がよいのでは。

  • 決済手段として普及しないとしても,価値を保全する手段として有用だという意見もあるだろう。その意味するところは,「長期投資の対象として適している」というのとほとんど同じだろうが,私もそう思うからこそビットコインを投資の対象と考えてきた。

  • しかし今ここに至っては,この点についても疑問を感じはじめている。

  • 第一に,短期的な価格の上昇があまりにも急で,もはやビットコイン価格の天井が近いと思うため。ビットコインがどこまで上昇するかは分からないが,永久に上昇し続けることはありえない。

  • かつてバンクオブアメリカがビットコインの適正価格を1300ドルだと算定したことがあり,これもありえない数字ではなくなったが,それでもこれくらいが上昇の限界とみておくべきではないだろうか。

  • そうすると,今後の上昇余地はせいぜい500ドルといったところだが,ここまで急ピッチで上昇してきたことも踏まえると,その程度の上昇余地ならダウンサイドリスクの方が大きく,投資として割に合わない気がする。

  • 第二に,最近なにやら,個人もマイナーも取引所も,ビットコインに関わるすべての人がビットコインの上昇を切望しているような気がして,そういう風潮に危うさを感じるため。

  • あまりに意見が一致しすぎると,集団心理が警戒心を麻痺させ,熱狂を呼び,過剰な投資を行わせる。それが,17世紀のチューリップバブル以来のバブル発生のメカニズムじゃなかろうか。

  • 実際のところ,ビットコインを買っている人の圧倒的多数は,本当にビットコインの将来性を評価して買っているわけではなく,短期的な値上がりを期待して,売り抜けを目的に買っているのだろう。要するに値上がりが見込めるならばビットコインである必要はなく,球根でもかまわない。

  • そういう相場は,自分よりも高値で買ってくれる人が存在する限りは上昇を続けるが,何かの拍子に買い手がいなくなったときに一気に逆回転して崩壊する危険がある。

  • バブルかどうかは結局のところ崩壊してみないと分からない。ビットコイン相場にバブルがすでに発生している可能性も否定できないし,これから本格的なバブルが発生して破滅的な結末になるかもしれない。

  • 今回の上昇相場には6月上旬くらいまでお付き合いすることになったが,私はもともとビットコインFXなどの短期売買からは足を洗うつもりで,その後はビットコインの現物を買ってほったらかしにしておこうと思っていた。

  • しかし,そういうわけで,暗号通貨に投資を続けるとしても,ビットコインとは一定の距離を取った方がよいかと思い始めている。

  • これまでビットコインはともかく,アルトコインに本格的に手を出すのはリスクが高いように思っていたが,むしろビットコインに集中投資するよりアルトコインに分散投資した方がリスクが低いかもしれない。

  • そこで方針を変更し,資金を10等分して,ビットコインを含めた10種類の暗号通貨でポートフォリオを作成することにした。

  • 買ってみたのはBTC,ETH,FCT,LSK,OBITS,SC,SYS,XEM,XMR,XRPで,今後はポートフォリオのリバランスだけをやっていこうかと思っている。

2016年6月11日土曜日

ビットコイン取引についての雑感(その3)


  • FXで勝てない方がビットコイン取引ならば勝てるかといったらそういうものではないと思う。そういう動機で乗り換えようと思うのなら,FXに踏みとどまって研さんを続けた方がよいのでは。

  • ただ正直なところ,現在のビットコインチャートはすごくきれいな形をしていて,希望の持てるチャートになっていると思う。

  • 相場というのは常に波打っているから,チャートを見ても一見して相場が上昇しているのか下落しているのか分からない場合もある。では,そういう場合に何を基準に上昇下落を判断しているかというと,チャートの「山と山」「谷と谷」を比較しているのではないだろうか。

  • 上昇している相場というのは,「上値を切り上げ,かつ下値を切り上げている相場」のことだろう。かみ砕いていえば,「新しい山の頂上がその前の山の頂上よりも高い位置となり,新しい谷の底がその前の谷の底よりも高い位置となる状況が連続している状態」ということになる。

  • そうすると,チャートの「山と山」「谷と谷」の位置関係に着目することで,売買のタイミングも判断できる。

  • 相場はいったん方向性が生まれるとその方向に進み続ける傾向にあるから,相場の上昇が開始したと確認できた場合,相場の上昇が継続していると確認した時点で買いポジションを持てばよい。

  • そこで上記の定義をもとに,相場上昇の開始・継続が確認できるのは何時かと考えると,それは「新しい谷がその前の谷を下まわらず,新しい山がその前の山を上まわることが確定した時点」であり,一言で言えば「前回高値を更新した時点」ということになる。

  • 買いポジションを持った後も上値の切上げ,下値の切上げを確認しつづける限りはそのままホールドすればよい。しかし,いずれは「新しい山がその前の山を越えられないとき」がくる。そのときは上昇相場の終了にリーチがかかっている。

  • そのうえで,「新しい谷がその前の谷を下まわることが確定した」場合には,上昇相場が終わって下落相場が始まった可能性が高く,買いポジションは決済すべきだろう。

  • この際のチャートの形状がヘッドアンドショルダー(三尊天井)とかダブルトップなどと呼ばれているものであり,決済すべきタイミングはネックラインを割った時点ということになる。

  • さて,BITSTAMP の週足チャートを見ると,2013年11月に史上最高値の1163ドル(画像の1)を付けた後,2015年1月に152ドルまで下落している(画像の3)。この間は,上値も下値も切り下げ続けているから下落相場であることは明らかだ。


  • その後,2015年3月にかけて297ドルまで上昇し(画像の4),再び下落してしばらく低迷が続いたが(画像の5),ここで1月の安値を割り込まず,2013年以来の上値抵抗線を突破したことにより相場反転の可能性が出てきた。

  • そのうえで,3月の高値を再び上まわってくれば完全に底入れの形だと思っていたが,7月にそれを試すも一筋縄には行かず,300ドルの壁を完全に突破することはできずに再び失速してしまう(画像の6)。

  • 8月に200ドルを割るところまで下落するものの(画像の7),このときに1月の安値を割り込まなかったことが大きかった。

  • これによって完全に二番底を確認したと判断され,さらに再び上昇して300ドルの壁を突破したことで上昇相場に転じた判断されて,11月の急騰(画像の8)につながったものと思う。

  • 上の説明に即していえば,買いポジションを持つべきタイミングは「300ドルの壁を突破した時点」だったことになる。

  • その後しばらく三角保ち合い(上値を切り下げ,下値を切り上げている状態)が続いたが,2015年8月からきれいに下値を切り上げ続けており,上にブレイクするのは時間の問題だろうと思われた。

  • 今年の4月になって三角保ち合いが煮詰まりきったところでようやく上値抵抗線を突破し,5月下旬に2015年12月の高値(467ドル)を更新すると,2015年11月の高値(502ドル)も一気に突破し,現在は594ドルまで上昇している(画像の9)。

  • ただ,半年間も続いた三角保ち合いをブレイクして高値更新となれば,うっぷんを晴らすかのように出来高が急増してもよいように思うが,これが一向に増えないことに不自然さを感じてしまう。

  • ちなみに私はMACD重視なのだが,上の画像では緑色の線がMACD,赤色の線がシグナルで,2015年2月ころゴールデンクロスしていることが分かる(画像のa)。これを信じて買いポジションをとっていれば,現在までの上昇相場をほとんどまるまる取れたことになる。

  • 5月下旬の急騰で2015年11~12月の高値を更新したことにより,上昇相場の継続が確認された。MACDも今年の1月にデッドクロスしていたが,直近で再びゴールデンクロスしている(画像のb)。

  • 現在のビットコイン相場は上値も下値も切り上げ続ける完全な上昇相場で,大局ではまだまだ上昇は続きそうに思う。次の節目は2014年6月の高値(画像の2)である683ドルだろう。

  • (つづく)

2016年6月9日木曜日

ビットコイン取引についての雑感(その2)

  • ほかにビットコイン取引がお勧めできない理由としては流動性が低いことがある。おそらく投資金額が全般的に少ないのだと思うが,個々のオーダーの金額が小さく,ある程度まとまったお金を投資しようとすると難儀する。

  • もっとも,bitFlyerFX の出来高は運用開始のころと比べると予想以上に増えており,私くらいの投資金額であれば,注文がはけずにストレスがたまるといったことはほとんどなかった。

  • ただこの bitFlyerFX は何ともよく分からない仕組みの取引で,少なくとも私が知る「FX」とは別物だし,それがなにかと聞かれても「FXとは別のなにか」としか答えようがない。

  • というのは第一に,FXは一般に相対取引であり,投資家が売ったり買ったりした場合の取引相手はFX業者なのだが,bitFlyerFX は投資家どうしで取引をする市場取引だ。ビットコインではカバー取引ができないので,外国為替と同じようなFXは不可能なんだろう。

  • まあ,それはそれでもよいのだけれど,ならばスワップポイントが売りも買いもマイナスというのはどういうことかと。そのスワップポイントを受け取っているのは誰なのかと。

  • スワップポイントは,売った通貨と買った通貨の金利差を精算するものだから,金利の安い通貨を買った者が,金利の高い通貨を買った相手に支払うべきものだ。

  • にも関わらず,スワップポイントが売りも買いもマイナス(要するに,売り手も買い手も金利を支払う)ということは,それが本当にスワップポイントならば,取引所がくすねているということであって,実態はスワップポイントではないだろう。

  • これは実質的に「利息」であり,bitFlyerFX は取引所からお金やビットコインを借りて売り買いをしているというのが実態で,FXというよりは「信用取引」と呼ぶべきだろう。

  • 取引所にも儲けが必要だから利息を取るのはいっこうにかまわないと思うが,「スワップ」(交換)の要素は何もないのだから,これをスワップポイントと称して,なんとなくごまかすようなやり方はいかがなものだろうか。

  • ついでに言わせてもらうと,投資家が取引所に金利をいくら支払ったのかを明らかにするのは当然のことであって,きちんと取引履歴に明示していただきたい。支払った金利が正確に分からないと税金の計算ができない。

  • 第二に,FXは一般に外部から為替レートの配信を受けているから,FX投資家が売買を成立させてもそれによって為替レートが変動することはない。もちろん,カバー取引によって間接的な影響が及ぶことはあるのかもしれないが,FX業者がカバー取引をやっているとは限らない。

  • これに対して,bitFlyerFX は為替レートの配信を受けているわけではなく,ザラバ寄せで取引価格を決めているため,投資家の売り買いによって直接的に為替レートが変動する。

  • この仕組みでは不都合な場合があるのではないだろうか。

  • というのは,bitFlyerFX にも強制ロスカットの仕組みが存在するが,相場が大幅に変動して強制ロスカットが発動し,建玉が成行決済されると,その成行決済によってさらに相場が変動してしまう。

  • そうすると,強制ロスカットが別の強制ロスカットを誘発し,際限なく連続して強制ロスカットが発生する事態が生じうるのではないだろうか。もしそうならば,他の取引形態よりも価格変動が増幅されがちで,投資家はより大きなリスクを負っていることになる。

  • 大口投資家が結託し,1円で買い注文を入れたうえで大量の売り注文を出し,すべての買い建玉を強制ロスカットさせて1円で取引を成立させるなんていう攻撃が可能なんじゃないかと思ってしまうのだが。

  • なんか悪口ばかりになってしまったが,私は正直なところ bitFlyerFX のことが嫌いではない。ビットコインを普及させるためにも,もっと取引が活発になって,もっと出来高が増えることを願っている。

  • (つづく)

2016年6月6日月曜日

ビットコイン取引についての雑感(その1)


  • 目下のところ私にとって投資の主戦場はFXなのだが,相場観として当面は円安トレンドを見込んでおり(月足のドル円チャートでMACDがクロスするくらいまでは),アメリカの追加利上げも年末まではないだろうと踏んでいた。

  • それで,5月6日の雇用統計が予想を下回ったのを確認してドル売りポジションをとったところ,予想外にドル安に振れてしまったため,FXはしばらくお休みすることにして以前から関心があった BitflyerFX に挑戦してみることにした。

  • そうしたところ,先週末の雇用統計でまたまた予想外のドル高となり,週明けからFXに復帰することにしたので,ちょうど1か月間にわたって BitflyerFX をやってみた感想などを書きます。

  • まず,FX投資家がビットコイン取引に乗り換えるメリットがあるというと,現状ではないと断言してよいと思う。

  • その理由は,まず何よりも税金面で圧倒的に不利だという一言につきる。

  • というのは,国内FXは申告分離課税なので,どれだけ稼いでも所得税は一律20パーセントで済むが,ビットコイン取引の利益は総合課税であって給与所得や事業所得などと合算して累進課税となり,最高税率は45パーセントにもなる。

  • ビットコイン取引などで1000万円を超えるような利益を得てしまった方は,今のうちから所得税がどれくらいになるかを計算し,計画的に円貨をプールしておかないと大変なことになる。

  • また損失が出た場合にも,国内FXであれば翌年以降に損失を繰り越すことができるが,ビットコイン取引では損失を繰り越すことも,損益通算(損失を他の所得と相殺する)することもできない。

  • 申告分離課税は本当にありがたい仕組みであり,これは海外FXにも言えることだが,ビットコイン取引についても,申告分離課税のメリットを手放してまで乗り換える魅力はないように思う。

  • ちなみに,申告をせずに税金をごまかそうなどとは考えない方がよいと思う。

  • ごく普通のサラリーマンの方々は税務署が来るなんて都市伝説だろうくらいに思うのかもしれないが,日常的に自己申告で税金を納めている人(自営業者や法人の経営者)にとっては,税務調査は特別に珍しいものではないし,私自身も税務調査を受けたことはある。

  • 税務署は,下調べをしたうえで来るときには来るので,甘く見ない方がよい。そして,仮想通貨圏の広がりに関心をよせているのは税務署も同じだろう。

  • ここから先は想像も入っているのだが,税務署は毎年同じような調査を同じようにやっているのではなく,その時々のテーマを重点的に調査しているように思う。その意味で仮想通貨法制のできた今年などは特に要注意ではないだろうか。

  • マイナンバー制度のおかげで証券会社やFX業者に対する調査は容易になるので,制度の適用がないビットコイン取引所に余剰人員をまわすという展開もありうるかもしれない。

  • 彼らは国家権力なので,民間の感覚ではちょっと考えられないような調査ができてしまう。税務署が照会をすれば,ビットコイン取引所は顧客データも取引履歴もすべてのデータを躊躇なく開示するだろう。個人情報保護とかそういうレベル問題ではない。

  • それを解析され,ある日突然に税務署からお問い合わせが来るというのは現実的にありうる話だと思う。

  • 結果的に納税を免れたとしても,いつ税務署が来るかとびくびく怯えてすごすなどというのは,まっとうな社会人のすることではないだろう。

  • (つづく)

2016年5月8日日曜日

ビットコインは価格操作が可能である


  • あらゆる資産の価値が連動する傾向の強い現在,なんとかショックで株も為替もなにも大荒れの時に,ビットコイン相場が微動だにしない様子は,本当に新鮮で純粋にびっくりする。

  • これは,分散投資を標榜する方にとってはうってつけの投資対象ではないだろうか。

  • そう考えて私は,資産のごく一部をビットコインに振り向けている。どれくらいかというと,NISA口座で金投資(金ETF)をしているので,それを超えないぐらいで。

  • ついでに言うと,その中のさらに一部でアルトコインも買ってみようと思い,去年の11月くらいに10万円分のビットコイン(2.0932BTC)で,イーサリアム(ETH),ビットシェアズ(BTS),リップル(XRP),モネロ(XMR)を,それぞれ2万5000円分(0.5233BTC)ずつ買ってみた。

  • そしてそれっきり,取引所に預けたまま放置していたのだが,つい最近になって,たまたまイーサリアムの日本円の評価額を見る機会があり25万円にもなっていて非常に驚いた。高騰しているとは聞いていたがこれほどとは。

  • 保有しているアルトコインの詳細は次の通り。


  • 通貨名取得価格数量現在価格評価額
    1ETH0.00240482217.600.020403194.4397
    2BTS0.0000091257390.380.000008580.4924
    3XRP0.0000122142842.770.000014170.6070
    4XMR0.00117652444.790.001877280.8349
    ※価格の単位はBTCで,現在価格は執筆時のもの。


  • とりあえず,本気で暗号通貨を普及させようと思ったら,小数点以下の桁数の多さは何とかした方がいいだろう。まあ利益は出ているけれど,利益確定しようにも手間がかかるし,税金やらなんやら考えることが多くて面倒なので,アルトコインは永久に放置しそうな気もする。

  • さて,投資の対象として暗号通貨と1年ほど真剣に向き合ってみた結果,非常に都合が悪いことに気が付いてしまった。それは,おそらく価格操作が可能だということ。

  • そのきっかけは,中国のビットコイン取引所の出来高に疑問をもったことだった。次の表は執筆時の時点で TradeBlock に表示されていた世界の主要取引所の24時間出来高をまとめたもの。


  • 取引所取引通貨24時間出来高全体に占める割合
    1BitstampUSD1,9060.11%
    2BitfinexUSD7,5690.43%
    3CoinbaseUSD3,4390.20%
    4itBitUSD1,5050.09%
    5OKCoinUSD6,6290.38%
    6GeminiUSD5570.03%
    7BTC-eUSD3,2650.19%
    8KrakenUSD2,1150.12%
    9BTCCCHY19,9441.13%
    10OKCoinCHY966,07954.78%
    11HuobiCHY750,39742.55%
    合計1,763,405
    ※出来高の単位はBTCで,データは執筆時のもの。


  • これを書いているのが日曜日であるため全体的に出来高が少ないが,Bitstamp,Coinbase など欧米の取引所の出来高がせいぜい1万BTCであるのに対し,中国の OKCoin,Huobi はなんとその100倍に近い100万BTC程度の出来高がある。

  • 同じく中国の BTCC も含めると,3取引所の出来高は全体の98.8パーセントにも達する。これはいくら何でもシェアが高すぎではないだろうか。いかに中国のビットコイン熱が高かろうとも,中国とそれ以外の国でこれほどの違いを合理化する理由はないように思う。

  • そうすると出来高の水増しを疑ってしかるべきではないか。私は上記の2取引所については出来高の9割が水増しであっても全くおかしくないような気がする。

  • もしも水増しが行われているならば,売り注文も買い注文も取引所が用意した自動売買プログラムに出させて自作自演をしているのではなかろうか。そうだとすれば,取引所の腹づもり一つでいくらでも価格操作ができるということだ。

  • 現に,かのマウントゴックスでは自動売買プログラムによる取引の水増しが行われていたらしい。ビットコインが高騰して注目を集めれば客が増えるわけだし,マージン取引をやっていれば価格を乱高下させてストップ狩りもできるので,取引所は価格操作の誘惑にかられるのでは。

  • ここまで圧倒的な出来高の差があると,他の取引所の利用者も中国の動向を見ながら取引せざるを得ないので,問題は特定の取引所の内部に限られずビットコイン相場全体に及ぶ。

  • 真偽のほどはともかく,ビットコインに価格操作の余地があることは間違いない。そうすると,ある日突然に取引所の不正が発覚して価格が急落なんてこともありえ,何を本当に信用していいのか分からず,ビットコインを本格的な投資対象とみることはできないのではないか。

  • なぜこんなことになってしまうのだろう。ビットコインに実需がないからだろうか,市場が未成熟だからだろうかなどと考えたりするがよく分からない。

  • ビットコイン取引所を金融庁の監督下におけばマウントゴックスの事件は防げたかもしれないが,国内で法整備をしても海外の取引所は規制できないし,まして分散取引所などが普通になったら国家による規制はますます困難だろう。

  • そもそも,暗号通貨を推進してきた方々にしてみたら,国家による規制がなければ不正を防止できないという事態は受け入れがたいのでは。

  • なんとなく,これは暗号通貨のもつ構造的な欠陥のような気がしてきた。私にはよく分からないので,経済と暗号通貨にお詳しい方に考えていただきたい。

2016年5月3日火曜日

リップルの送金コストはどれくらいか


  • ビットコインとは違ってリップルの仕組みは理解しずらいが,ネット上にある解説も奥歯にものが挟まったようで,理解が進まないのはそれも原因ではなかろうか。

  • リップルは,一言でいえば「暗号通貨を利用して銀行振込のような送金を実現するシステム」なんだと思う。

  • だから,「ゲートウェイ」とか「IOU」などと小難しい横文字を使わずに,単純に「銀行」とか「預金」などと言って説明したほうが分かりやすいんじゃないだろうか。

  • ちなみに,IOUは [ I owe you ] が語源だそうで「借用証書」と訳されているが,~証書などと言うから紙ベースのなにかを想像して意味不明になるのであって,ここでは単純に「債務」と訳すのが実態に即しているし,法律的にも正しいと思う。

  • 「債務」というのは借りる側から見た場合の言葉であって,同じものを貸す側から見た場合には「債権」になるから,「債権」と言い換えてもよい。むしろ,リップルを利用するユーザーは「貸す側」なので,「債権」と呼んだ方が分かりやすいだろう。

  • 銀行預金は,預金者から見れば「預金債権」,銀行から見れば「預金債務」であって,金銭を目的とする債権債務であるという意味でIOUと全く同じだから,IOUを「預金」と読み替えてもなんら差支えない。

  • リップルが目指しているのは,「預金と暗号通貨(XRP)を取引するマーケットを作ること」なんだと思う。

  • 例えば,A銀行からB銀行に送金をしようと思ったら,そのマーケットでまずA銀行の預金を売って暗号通貨を買い,さらにその暗号通貨を売ってB銀行の預金を買う。これによって,中央銀行やコルレス銀行を経由することなく銀行間の送金が実現する。

  • マーケットで取引されるのは,円預金に限る必要はなく外貨預金でもよいだろう。ならば,ビットコイン預金とかイーサリアム預金なんてものでもよいはずだ。

  • ところで,リップルは低コストの送金を実現するとされていて,特に海外送金の手段として有望だと思うのだが,その仕組みを考えるならば,マーケットの流動性の問題になったり,為替コストが発生するのではないかという疑問が当然に生ずる。

  • そこで,実際に送金をしてみて,どれくらいの送金コストがかかるのかを確かめてみることにした。

  • やってみたのは,M社という国内ゲートウェイからT社という国内ゲートウェイに3万円を送金することだが,これには次のような手順を踏んだ。


  • 1M社に3万円を入金する。
    2M社の口座で預金を暗号通貨に両替する。
    3両替した暗号通貨を,M社の口座からT社の口座に送金する。
    4T社の口座で暗号通貨を預金に両替する。
    5T社の口座から預金を払い戻す。


  • 実際に要したコストは次の通り。ただし,細かい端数は割愛している。

    1. M社に入金する時点で,入金手数料として108円(定額)が差し引かれ,2万9892円が入金された。

    2. M社で仮想通貨に両替する際に,取引手数料(0.2パーセント)として59円を差し引かれた。為替レート(XRP/JPY)は平均0.7218だったので,2万9892円を41330XRPに両替した。

    3. T社で預金に両替をする際には取引手数料は差し引かれなかった模様。為替レートは平均0.7080だったので,41330XRPを2万9262円に両替した。

    4. T社から出金をする際に,出金手数料656円(0.498パーセント+463円)が差し引かれ,2万8606円が出金された。

  • これら以外にも,両替や送金に際して0.012~0.015XRPのネットワーク手数料が発生しているが,1XRPは0.7円程度なので0円と評価して差し支えないだろう。

  • 戻ってきたお金が2万8606円だから,全体の送金コストは1394円で,うち823円がゲートウェイの手数料だから,571円が為替コストとなる。

  • 実際にやってみた感想だが,送金スピードは非常に速いのだけれど,為替レートがXRP/JPYとJPY/XRPで統一されていなかったり,指値注文しかできなかったりで使い勝手がよくない。

  • 流動性も低く,オーダーも数万円くらいがせいぜいなので,数十万円,数百万円を送金しようと思ったら,かなりの為替差損を被るだろう。

  • やはり,銀行が本格的に採用するようにならないと,リップルは送金手段としては使い物にならない。